読書ノート「2030年の第4次産業革命」


ITや通信などの基礎技術が躍進すること伴い、あらゆる産業においてのDXがこれから或いは既に進んいでいきます。また、自動車業界は100年に一度の大変革期に迎えており、「CASE」という技術革新も猛スピードで進む必要があります。この本を読んで、「第4次産業革命」の全貌を明らかにする事ができると思います。


第4次産業革命の最前線

  • 自動車メーカーや航空機メーカーが考える将来のライバルは同業界他者ではなく、ITベンチャーやテクノロジーカンパニーになる。

    • 向き合っていくのは「デジタル会社への転換・第4次産業革命だを実現するデジタルソリューション、新しい企業連合のチーム」。
      • 連合チームのリーダを狙っているのはGAFA (Googel, Apple, Facebook, Amazon)
  • 第1産業革命(鉄道)、第2次産業革命(自動車)

  • ドイツは屋台骨である自動車産業の収益や雇用を維持するため、「インダストリー4.0」というプロジェクトを立ち上げた。

  • ここまで成長を遂げた中国が抱える課題 → 「中国製造2025」、「次世代AI発展計画」

    1. 一人っ子政策の結果、高齢化や将来的に労働者不足
    2. 経済成長に伴う賃金上昇
    3. 世界工場になった事の代償としての環境対策
  • 「米国ファースト」→「保護貿易政策」

    • 日米貿易摩擦:
      • 米国通商代表部(USTR)による通商法301条が発令された。
        • 円対ドル為替相場を大幅に切り上げる
          • 海外に工場を作り、現地生産比率を高めた。
    • 中米貿易戦争:
      • 米国から追加関税措置が発令され、中国が応酬した。
      • ファーウェイ問題
        • 2019年第一四半期、ファーウェイはアップルの世界シェアを抜き、サムスンに次いで世界第2位のスマートフォンメーカーになった。
          • 2019年5月、米国はファーウェイを輸出規制リストに指定した。
  • サービス産業と融合する製造業

    • 横軸:部品や素材を作り、それを使ってメーカーが製品を製造・販売するバリューチェーン
    • 縦軸:付加価値、最終的にユーザーから得られる価値の対価

    サービス産業と融合する製造業

  • 自動車産業が直面する100年に一度の変化期に伴い、様々技術革新が進んでいる。

    • CASE
      • Connected
      • Autonomous
      • Shared
      • Electric Vehicle (EV)
  • Mobility as a Service – MaaS(マース)

    • Level 1: 情報の統合
    • Level 2:予約、決済の統合
    • Level 3:サービス提供の統合
    • Level 4:政策の統合
  • 豆知識

    • ベンツは世界初のガソリン自動車を作り上げた。
    • G7、G20などのGとはGroupno頭文字を表している。
    • 「ムーンショット(月へロケット打ち上げ)」という言葉は、「壮大な課題、挑戦」を実現させる事。

第4次産業革命を実現するテクノロジー&コンセプト

  • ネットワーク効果:質の高いサービス→新しいユーザー→新しいデータ→アルゴリズムやサービスを改善→質の高いサービス…

  • 21世紀のクラウドは20世紀の大型発電所に相当し、IT環境が一新する。

  • 「AI×データ」:AIはデータとセットになって、初めて価値を生み出す

  • マスカスタマイゼーション

    • 自由自在にカスタマイズした製品を、大量生産と同じ安いコストで生産・販売すること、それをデジタル技術で実現する。

    • 多品種少量生産

      マスカスタマイゼーション

  • 産業革命におけるキー技術の推移

産業革命におけるキー技術の推移

  • 豆知識
    • ムーアの法則:$P=2^{n/1.5}$ P: n年後にトランジスタの数がP倍になる。
    • ベルの法則:約10年余りごとに、時代を代表するコンピュータープラットフォームの大きさが数百分の1になっていく。

第4次産業革命の注目企業

ドイツ

アディダス

マスカスタマイゼーションをキーとして、スピードファクトリーをドイツとアメリカで展開し、最新の製造技術をアジア工場に配備した。

ボッシュ

  • センサー単体での販売ではなく、システムとセットで売ることが強み。
  • 自社の技術優越性を利用し、デジタルコンサルティング企業を目指す。

シーメンス

  • ソフトウェアになる、既に世界トップ10のソフトウェア会社である。
  • SAP社と連携し、「SAP HANA」を使って「マインドスフィア」の提供を開始した。
  • SaaSで収益化を目指そうという戦略。
  • 自社の技術優越性(鉄道、ソフトウェア、運行システム)を利用して、MaaSのビジネスモデルに舵を切っている。

VW

  • ディーゼルからEVへと社運をかけた経営の大転換を行った。
  • CASEへの注力はベンチャー企業を活用する。

米国

アマゾン(AWS)

  • クラウドコンピューティング世界トップ
  • AWSエコシステムを支える莫大な数のITエンジニア達

マイクロソフト

  • クラウドコンピューティング世界第2位
  • 産業界のIOTをリードするマイクロソフトのクラウド

テスラ

  • CASEトレンドを牽引している企業。
  • TOA(Transfer on air)で最新の制御技術やソフトウェアにバージョンアップする。
  • 目標は持続可能なエネルギー企業となること

中国

アリババ

  • 世界最大のeコマース企業
  • 「アリペイ」の決済と信用補完
  • フィンテックを活用して総合金融サービス:アント・フィナンシャル
  • スマート製造に注力
  • アリババクラウドシステムパートナー:シーメンス、SAP

テンセント

  • SNS企業から、フィンテック&クラウド企業に
  • クラウド型ゲームと医療映像テクノロジー

DiDi

  • 配車サービスで世界トップのシェアを握っている。
  • 「AI×ビッグデータ」を徹底活用

日本

デンソー

  • 全工場をIoT化して効率向上を図る。
  • デジタル技術への注力、MaaS及び自動運転への挑戦

ヤマザキマザック

  • スマート工場
    1. サイバーセキュリティを高めた設備機器のネットワーク接続と可視化
    2. 収集したデータをビッグデータ化し、分析を行い、生産性向上や予報保全に活用
    3. システム連携を深め、各工場や工程全体の最適化を図る
    4. 熟練工のノウハウを数値化し、機械学習をはじめとしたAI技術によって製品や生産システムの最適化に取り組む
    5. 自律的進化し続ける Mazak iSMART Factory

ファーストリテイリング(ユニクロ)

  • 「有明プロジェクト」で「情報製造小売業」に変革
  • 企業経営者自ら「AI×ビッグデータ」についての知識・リテラシーを高める

各国の第4次産業革命の取り組み

ドイツ

  • 大学の大変革が加速させる「中堅・中小企業4.0」

アメリカ

  • 米国政府は基礎技術設備への戦略的投資
  • IOTコンソーシアム「IIC」と欧州ドイツ企業が融合を進める

中国

  • 中国製造2025
  • 次世代AI発展計画
  • 海亀作戦(個人感想:海外留学は個人主導することが多く、国の作戦とは思わない。。。)

日本

  • ソサエティ5.0
  • 大学や研究所で「AI」や「デジタル技術」などに関する研究センターの設立
    • 東大研究センター「RACE」発足
    • 産総研 人工知能研究センター・サイバーフィジカル研究棟
  • IVI設立

2030年の第4次産業革命

2030年に台頭している企業

2030%E5%B9%B4%E3%81%AE%E7%AC%AC4%E6%AC%A1%E7%94%A3%E6%A5%AD%E9%9D%A9%E5%91%BD%20af4f1ef17e89446b87b5d041a3c175c1/2F4FC5D0-8C88-407A-B00C-EAE668EEAED4.jpeg

Leave a comment